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【腕時計】時計が止まったら分解掃除…って、なに?いくら?分からない!という方必見です!【オーバーホール】

皆様こんにちは!
暑い日が続きますね~;
川や海に行って、体中リフレッシュしたいものです。

・・・と、思っているのは果たして人間だけでしょうか!?
そう、あなたの腕にいる「」も
同じ事を思っているかもしれませんよ・・・

というわけで、今回は分解掃除についてご説明しようと思います!


04フェイス取り外し


分解掃除、またはオーバーホール(O・Hと略す場合もあります。)
何故時計には分解掃除が必要なんでしょう、
その理由は意外と簡単。

時計の部品のほとんど、もしくは全部が「金属」なので、
使っているうちに錆び、磨耗、磁気帯びといった
良くないことが起こります。

腕時計と言うのは(今更説明するまでもないかもしれませんが)
歯車など、回転する部品で構成されています。
丁度、自転車のチェーンみたいな感じで、
毎日使っていると油が切れてきたり、錆びたりもして来ます。
自転車のチェーンなどは軋みだしたら「油を注す」と言った事をしますが
腕時計の場合そうはいきません。

何故かと言えば、自転車は油が切れても
ペダルを踏むのが少し重くなるくらいですが。
「精度」が要求される腕時計は、多少歯車が重くても
回転さえすれば、それでOKとはなりません。

もちろん腕時計内部の部品でも大きな部品、
例えばゼンマイ等は回転すればいいわけですから
注油のみでも用は足ります。
よって油を挿せばそれでもOKです。

しかし歯車部分、それと腕時計の心臓部である「テンプ」。
これはコマの様に回転しています。(一方向ではなく往復運動ですが)
正確な速度と回転が要求されるこの部品は、
注油だけでは足りません。やっかいですね;;

時計の場合は1日24時間=1440分=86400秒
年間にして8760時間=525600秒という間、
ほぼ正確に時を刻んでいます。
単純に計算しても、同じ部品が年間に数十万回と
休みなく同じ動きをすることになります。
内部でそれだけハードに動いている時計は、
各部品ともそういった動きに耐えられる素材・専用の
潤滑油が使われているわけですが、
さすがにそれでも永久にはムリデス

この様な小さな部品が正確な速度で回転する為には
「注油」のみではなく、一度腕時計を「分解」してから
油と埃の固まった汚れを綺麗に「掃除」、そして
また綺麗な油を挿して組み立てる作業が必要
になる訳です。

その作業こそが分解掃除(オーバーホール)

腕時計の分解掃除とは
「分解+掃除+注油+組み立て+時間調整」を総称して使う言葉なのです。

↓手巻き掛け時計の分解掃除中の写真です。
07クロックOH


さて、それでは、分解掃除の工程についてご説明いたしましょう。
※あくまで標準的な工程です。
通常のクオーツ時計は最低2~3週間、
機械式時計や複雑なしくみの機種は調整に
多くの日数を必要とするため最低3~4週間程かかります。
また、部品の状態などによってはそれ以上かかる場合があります。

標準的な分解掃除の内容
状態確認
 お預かりした時計の状態を細かく確認します。
 (外観、運針、操作性、精度など)
 この工程により外観などからの部品の交換が必要かどうかを判断します。

ケースより中の機械を取り出す
 機械(ムーブメント)の状態を確認しながら慎重に取り出します。
03ケースから取り出し


分解、修理、洗浄
 ムーブメントを全て分解し、
 洗浄と部品をひとつひとつ状態を確認して劣化部品は交換・修正します。
 分解する際は1㎜前後のネジや小さく脆い部品が多数存在するので
 細心の注意を払いながら分解していきます。
 古い時計の場合は部品が無くなっている場合も有りますので注意が必要です。
05内部分解


組立、注油
 ムーブメントを組み立て、各部に注油をしていきます
 この時、歯車などの取り付けには細心の注意を払いながら、
 組立を行って各部の動作の確認も行います。
 歯車の軸は秒針などよりも細く、位置が少しずれて取り付けを行うと
 簡単に曲って使えなくなってしまいます。
 その為、仮止め→動作確認の工程を部品を
 取り付ける度に行って組み立てていきます

調整
 ムーブメントの組立が終了したら、
 ムーブメントの精度を確認して調整していきます。

最終確認
 調整などが終了して問題がなければ、他の操作性なども確認して作業は終了です。

ひどく大雑把な工程ですが、流れはこんな感じです。
内容自体はそれほど複雑ではありませんが、
それぞれの工程に大きな手間や時間がかかることをご理解ください。


ぼくのわたしの分解掃除Q&Aアレコレ

Q:あまり高くない時計だけどO・H(オーバーホール)できる?

A:出来るのもあるけど、買った方が安いかも


”自動巻にはメンテナンスが必要”これに間違いはないです。
しかし雑貨ウォッチの自動巻等をOHできるかははっきりとは分かりません

また出来たとしても手間は同じですから
¥7,000~¥10,000くらいはどうしてもかかります。
新しく買った方が安いケースももちろんあります。
そして費用を掛けても寿命は10年くらいが限界であることも。
2万円以下で買える自動巻の分解掃除は
出来ない(とは言わないまでも難しい)と思っておいていいかと。


またOH出来る出来ないの話では、実はソーラー時計もオーバーホールを必要とします。
電池交換もO・Hも不要と思っていたら
突然動かなくなってビックリするかも
(ただしソーラでもデジタル時計はOH不要、というより機械自体の修理となります)。
電池交換はともかくOHの場合メーカー出しするケースも少なくないのでお気をつけて!


Q:オーバーホールを受ける頻度ってあるの?

A:だいたい3~5年、時計を酷使するならやっぱりOH頻度は高くなるね

時計関係者の間でも諸説ありますが、
だいたい3年~5年の間というのが通説です。
この年数は時計店によってバラバラです。
ある時計屋さんは3年、ある時計店には5年でも良いと聞いた・・・
「なんで決まっていないの?」と思いますか?
私は思いました。

「諸説ある」理由は、「条件が違い過ぎて一概には言えない」というのが大きな理由です。
例えば作られた年代が違えば「時計の現状のコンディション」も違います、
現在の防水・防磁機能などが備わった時計とアンティーク時計では、
おのずと劣化する速度も変わってきます。

また保管される場所や使われ方も違います。
時計を労わって雨の日には使わない人、
雨の日でも湿気の多い日でも使う人、
両者の時計の中に湿気が入る・傷む度合いは大きく変わってきます。
使う頻度によってもそうで、毎日時計をはめて外回りをする営業マンもいれば、
出社後、時計を外して机の中にしまい、事務仕事をする人もいます。

さらに時計自体の持つ能力・素材も違います。
アンティーク時計で言うなら、安いメーカーや1ドル時計などのように、
できるだけコストを絞って作られた時計と、
素材にお金をかけた時計では、素材自体の錆び・磨耗などへの耐久力もまったく違うわけです。

こういった理由もあって、車検のように必ず「何年」と決まっているわけではないのです。

ただアンティーク時計では、一般的に推奨されているのは3年に1度
あまり使わない場合でも5年に1度は受けていただくことが勧められています。



Q:オーバーホールを受けないとどうなるのだね?

A:壊れる、ないし動かなくなる。当然、OH+部品代+交換代>>OH代ですね。

金属部品なのでいずれは、油切れを起こし部品が磨耗します。
ただ部品が使えなくなるほど磨耗するかというと、
さすがにそこまでの状態になる前に正しい時間を
指さなくなり動かなくなります。
時計としては使えなくなるのが普通で、
そうなると当然使わなくなりますね?

オーバーホールをしないことで、部品が完全に磨耗して
ダメになるということはまれです。
が、オーバーホールを受けずに放置しておけば、
錆びが原因で部品や機械自体が使い物にならなくなることは良くあります。



Q:オーバーホールにかかる費用って…

A:ピンキリだけど、1万円代は稀かも。中の部品が壊れてたらそれもかかるし。

前述のように、条件(メーカーや内部の機械)が多くて難しいですが、
一般的に機械式時計の場合は安くても「1万円以上」が相場です。
1万円なら「安い」と言えますが、この値段でオーバーホールを
してくれるところはあまりありません。

値段が変わる要素としては、これもお店によりますが、
「メーカー」「時計の元の値段」「舶来品」「手巻き・自動巻き」などで大きく変わってきます。

「メーカー」「元の値段」は、高級メーカーや時計本体の値段が高い場合は、
万が一の損傷・紛失などのリスクや、
部品の値段・技術などで高くなっていることが考えられます。
100万円の時計を修理するのと1万円の時計を修理するのでは、
万が一壊したときや盗まれてしまったときのことを考えると、
料金を高く設定しないと預かれないというのも道理です。

修理をする方は「傷つけない」のが大前提ですが、そこには技術・経験が必要で、
リスクや仕事によって金額が変わることは当然だと思っていただけると幸いです。
どんなに腕のいい職人でも精密な作業中に事故が起これば失敗することだってあります。
(だから壊しても納得しろとは口が裂けても言えませんが。)

またもう1つの大きな要素、「手巻き・自動巻き」などの機械では、
自動巻きのほうが部品が多いため手間もかかり
単なる手巻きと比べると2割ほど高くなるようです。

その他、日本の場合は、「舶来品」という名目で高くなることもあります。
あと通常のオーバーホールとは別に、料金が変わる要素として「部品の交換」があります。

例えばヒゲゼンマイやゴムパッキン・リューズの巻き芯など、
比較的劣化しやすい部分はオーバーホールの時に交換を勧められることがあります。
またそれ以外の部品でも支障が見つかり交換することになれば
別途に料金がかかります。


Q:オーバーホールにかかる期間はどれくらい?


A:2週間から1ヶ月くらいが一般的だけど、海外メーカーのは注意!!

だいたい早くても2週間以上、一般的には1ヶ月ぐらいです。
分解・洗浄・乾燥・注油・組み立てなどの工程があり、
それが終わっても姿勢差による時差の確認・再調整のため
「直してから1日置いてみる」といった、
すぐに調整ができない・時間のかかる工程もあります。
より精度を出すため、時差調整をして経過を見たあと
もう一度調整をし直すなんてことも。

また他にも修理をしている時計があったり、順番もありますので、
一般的にはこのくらいですが、高級舶来の時計は話が違い、
メーカー本国修理をする場合、海外に送るので見積りを出すのに8か月、
そこから修理で…年単位なんてこともザラにあります。
基本的に国内でできることが多いですが、純正品が本国にしかない、
本国のメーカーでのOHにこだわりがある場合は
そういった覚悟も必要になります。


Q:直せる限界はあるの?

A:とても古いアンティーク時計、もう生産が終了してしまった部品、コピー品とかは厳しいかも


現代の時計と違って、昔の時計の機構では、どうしても誤差が出ることがあります。
これはアンティーク時計の宿命といっても良く、
時計自身の能力の限界であることもあります。
どれだけ丁寧にオーバーホール・調整が行われたとしても、
ある程度の誤差が出ることは理解をしてあげてください。

O・Hで損傷している部品が見つかっても、メーカーがもう部品を作っていない、
代替品もないとなるとオーバーホール不可となることもあります。
ちなみにコピー品は代替部品があることの方が稀なので注意です。
(厳密にはコピー品の修理自体が法的にはアウトです。
断る店もいじわるじゃなく、修理したら自分たちが危ないからなのです)

防水性能について、アンティークや一部の時計は構造や部品の関係上、
防水が十分でない時計があります。
今の時計の防水技術が確立する以前の時計はもとより、
ケース自体に錆や腐食がある場合。
そういった場合は、たとえオーバーホールをしても構造上、
防水機能を回復させたり、付与することはできませんので
浸水には十分注意してください


Q:時計に水が入っちゃったけどO・Hしたばかりだし大丈夫だよね?

A:残念ながら通常OHとは別の問題なのでもう一回OH(それも早急に)が必要なのです。

「腕時計に水が入った場合」…これは例え「OH」をした翌日であってもまた「OH」が必要です。
何故か?それは水が入ると言う事は単に通常駆動による「油ぎれ」ではなく。
湿気がプラスされている訳ですから「錆び」が浮いて来る可能性が大になります。

腕時計の部品と言うのは1mmの隙間もなく詰まっています、
その中に水(湿気)が入れば部品同士が水滴で密着した状態になります。
よって中々自然に乾燥してはくれません。

湿気が入って「3日」もすれば「錆」が浮いて来ます、
そうなれば分解掃除も不可能な場合があります。
湿気が入った場合。
約3日以内に腕時計を分解して乾燥させる事が出来るかが腕時計の生命線になりますね。

06分解


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